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2011年2月 8日 火曜日

戦い勃発!?笑



マー君VS岩隈の開幕投手戦争勃発で佐藤コーチ悩ます現役時代の"トラウマ"
(写真:夕刊フジ)



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マー君VS岩隈の開幕投手戦争勃発で佐藤コーチ悩ます現役時代の"トラウマ"

夕刊フジ 2月8日(火)16時57分配信



 田中将大投手(22)が「4年連続の岩隈さんから開幕投手の座を奪う」と堂々宣言し、一気にヒートアップした楽天の久米島キャンプだが、星野仙一監督(64)から開幕投手の人選を一任されている佐藤義則投手コーチ(56)はなぜか浮かない表情。そのワケとは-。

 事の発端は楽天ナインが毎朝起床直後に砂浜で順番に行っている"声出し"。田中は6日、「今年は4年連続の岩隈さんから開幕投手の座を奪い、沢村賞を目指して頑張りたいです」と宣言。星野監督は「投手のことはすべて佐藤に任せてある。おれに決定権はない。あいつに取材しろ」と報道陣をかわし、当の佐藤コーチは「(田中の宣言に)ドキッとしたよ。普通は言わないわな、先輩が聞いている前では。おれだったら言えない」と首をすくめた。

 阪神コーチ時代に井川(現ヤンキース傘下3A)を20勝させ、日本ハムのコーチ時代にはダルビッシュを育て上げて名伯楽の呼び声高い佐藤コーチだが、開幕投手をめぐっては、自身の現役時代のトラウマがある。

 佐藤コーチはプロ11年目の1987年、当時の阪急・上田利治監督(現評論家)から初めて開幕投手に指名された。ところが、前年まで6歳上の山田久志投手(同)が12年連続開幕投手を務め、トム・シーバーのメジャー記録に並んでいた。この年にはよりによって、尊敬する先輩の前人未到の記録がかかっていたのである。

 「あのときは開幕2日前に突然、『おまえでいく』と投手コーチを通じていわれてびっくりしたよ。山田さんはブスッとして、しばらくはおれとも口をきいてくれなかった。それまでは酒を飲みに行くのでも、おれは山田さんにくっついて回っていたのに。おれが悪いわけじゃなかったんだけどな...。正直言って、あの年に限っていえばやりたくなかったし、うれしくもなかった」と佐藤コーチは吐露する。

 「上田さんは、あの年を世代交代の好機とみたのかもしれない。あるいは、山田さんはあくまで上田さんの前任者の西本さん(幸雄・元監督)の教え子で、おれは上田さんが監督に就任した後にプロ入りした選手。ひょっとすると、そういった思いがあったのかな」と振り返るが、上田監督の真意はヤブの中だ。

 この年、2人をめぐる気まずい雰囲気が災いしてか、佐藤コーチは7勝8敗、山田氏も7勝7敗といずれも不本意な成績に終わった。歴史は繰り返す-というわけ。

 チームとしては、今季中に海外FA権を取得し来オフこそメジャー移籍が既定路線の岩隈には、気持ちよく仕事をしてもらう一方、田中に今年中にエースと呼ぶにふさわしい存在にまで成長してほしいのが本音。

 いったんは今年の開幕投手は田中と心に決めた佐藤コーチだが、岩隈の急転残留をうけ、当初は「田中は開幕投手にこだわりがないし、おそらく年上の岩隈が務めることになるんじゃないか」と高をくくっていた。ところが、田中の奪取宣言で微妙なバランスは吹き飛んだ。

 田中にも一歩も引けない事情が。「周りの影響もあるんでしょう。同い年のマエケンが沢村賞を獲ったしな」と察するのは星野監督。昨年はタイトルの面で広島・前田健太に水をあけられ、今年は大学をへて入ってきた斎藤佑樹にあおられている。同世代最強投手を実証したい田中にとって、開幕投手奪取など最初のハードルに過ぎないが。

 岩隈と田中。両雄をどう並び立たせるのか、星野監督と佐藤コーチの手腕が問われるところだ。 (宮脇広久)

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